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WELCON

開発・量産の取り組み

熱交換器の小型化への取り組み

熱交換器

熱交換器

マイクロチャンネル型熱交換器

マイクロチャンネルと呼ぶ、直径がマイクロメートルのオーダーの細い流路で構成された熱交換器です。マイクロチャンネル熱交換器は、高温流体と低温流体が、互いに近い距離で熱交換を行うため、熱交換性能が高いという特徴があります。通常、熱交換器の耐圧性能を維持しながら熱交換を近傍で行うことは難しいですが、マイクロチャンネルなら実装が可能です。

マイクロチャンネルで流路を実装した熱交換器は、そうでない熱交換器と比較し、熱交換性能を落とすことなく、熱交換器を小型化できます。また、小型化することで、流量の抑制も可能となります。

WELCONでは、マイクロチャンネルを用いて、同じ性能を維持したまま体積を100分の1にしました。

下記は、同程度の性能を持つ熱交換器のサイズ比較の一例です

熱交換器のサイズ比較

マイクロチャンネル化による伝熱面積の増加

流路径を細くすること(マイクロチャンネル化)で、流路本数を増やし、伝熱面積を増加させることができます。

下記は、通常の熱交換器とマイクロチャンネル熱交換器の、伝熱面積を比較した一例です。この例の場合は、マイクロチャンネル化により、伝熱面積が約6倍に増加します。

□5mm流路□5mm流路
2×2
伝熱面積 = 5 × 4 × 2^2 = 80mm²

□0.25mm流路□0.25mm流路
22×22
伝熱面積 = 0.25 × 4 × 22^2 = 484mm²

固相拡散接合による高い耐腐食性と耐熱性

固相拡散接合とは、接合させたい材料同士を直接接合する方法で、溶接やろう付という手法とは大きく異なります。

母材となる材料のみで構成するため、他の接合方法と比較し、高い対腐食性、耐熱性、耐圧性を実現できます。

下記は、水素ステーション向け熱交換器(WEL-Cool H2C)の耐圧試験の様子です。認証取得で求められる「100MPa下で100万回の繰り返し耐圧試験」や「4倍耐圧試験(400MPa)」といった検査をクリアしました。

当社の保有する耐圧試験装置(設計上限値:MPa)
・耐圧機密試験装置 (125MPa)
・耐圧水圧試験装置 (480MPa)
・繰返し耐圧疲労試験装置 (150MPa)

耐圧試験装置

耐圧試験装置

マイクロチャンネルヒートシンク

マトリックス流路で均一な冷却を実現

マイクロチャンネルによる内部構造の最適化を得意としています。マイクロチャンネルを持つヒートシンクは、小型で高い冷却性能を持つだけでなく、流体の分配にも特徴があります。例えば、温度の偏りを抑制し均一な冷却ができるよう、マイクロチャンネルをマトリックス上に配置した分配流路構造(=マトリックス流路)を実装しています。

WELCONのヒートシンクは、約260W/㎠を発生する発熱源に対して、40℃の温度上昇に抑制できます。既存の同サイズ一流路型ヒートシンクでは、温度上昇が200℃を超えてしまい、十分な冷却性能を実現することはとても困難です。

マトリックス流路冷却の温度分布
並列流路冷却の温度分布
1流路冷却の温度分布

熱放熱拡散技術への取り組み

ヒートパイプ薄型化の取り組み -ベーパーチャンバーの開発-

熱の効率的な移動を促す部品として、ヒートパイプがあります。従来のヒートパイプは、棒形状のため発熱源と密着するには扁平加工が必要となり、性能低下の要因となることが欠点の一つとしてあげられます。

WELCONのベーパーチャンバーWELCONのベーパーチャンバー

従来のヒートパイプ従来のヒートパイプ

WELCONが開発したべーパーチャンバーの特徴は、発熱源に密着させるために、最初から面形状としており、さらに、折り曲げも可能であるため、3次元的な空間に配置することも可能です。
WELCONのべーパーチャンバーの特徴は、その「薄さ」と「高い熱伝導性」にあります。

  • 不利な姿勢(トップヒート)でも高い熱伝導性を実現。
  • 熱源が100℃程度でも使用可能です。
  • 開発実績多数あり。現在は、1円玉よりも遥かに薄く実装できます。

お客様のご希望にフィットする形状の検討、使用環境に合わせた性能の検討など、ゼロからご相談に応じます。

拡散接合 信頼性向上への取り組み

当社は、拡散接合で製作した製品の品質を証明する装置とノウハウ、データの蓄積があります。
一例を紹介します。

断面、超音波画像

上記は、5パターンの接合温度で接合した場合の接合界面と、引張試験、超音波画像です。

最も高い接合温度では、接合界面が消失しています。これは、拡散接合により二つの材料が原子レベルで一体化したことを示します。

流体解析技術

流体解析技術

WELCONでは、シミュレーションだけでなく、熱交換器内の流体が実際にどう流れているか、といった観察や実験を重視しています。写真は、気体と液体二相の流れをハイスピードカメラで観察している様子です。このような実験が、新しい構造や機能の検討や設計にいかされています。

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